・どう考えても、10年先まで続けられる自信がない。
・赤字経営になる前に廃業したほうがいいかも?
・「月末の支払い」を乗り越えるにもそろそろ限界が・・・
このような、「自営業の辞めどき」に悩んで眠れぬ夜を過ごしているあなたのために記事を書きました。
理由はひとつ
「頭がバカだったこと」
執着するあまり視野がせまくなり
まちがった努力を続けました。
そして、取り返しのつかない状況になるまで、気づくことができなかったから。
結果的に、自己破産して
よかったんですがね。
「たら」「れば」いったところで、時間を巻き戻すことはできません。
しかし、当時、今の考え方ができていたらもっとうまく切り抜けることができたんじゃね?
という自信はあります。
大失敗してしまったからこそ気づくことができた知恵をお話しします。
この記事を読むことでわかること
・自営業の辞めどきの判断基準
・自営業の廃業を回避する方法
自営業の辞めどきの判断基準は「時代」と「金」
衰退産業にしがみついても落ちるのは時間の問題
現在、日本には、およそ17000種類の職業があるとされています。
(厚生労働省編職業分類2011年改訂版)
そして、オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授の論文「雇用の未来」によると、10年から20年後にはアメリカの雇用者の47%の仕事が自動化される可能性がある、と発表されています。
ようは、ちかい将来に今ある職業の約半分がロボットに取られちゃうよ、ということです。
また、ロボットが人間界に進出してくるという理由以外にも、世界中の頭のかしこい人たちによって便利なサービスがどんどんと世の中に生みだされています。
だから、今後、たくさんの職種・職業・商品(サービス)が必要とされなくなったり統合されて、世の中から消えてなくなってゆきます。
たとえば、ぼくは昭和46年にくだもの屋の長男として生まれました。幼少期は商店街に隣接する市場ですごしたんですが、それはそれは活気がありました。
魚屋さん、お花屋さん、味噌屋さん、お漬物屋さん、塩干屋さん、昆布やさん、タバコ屋さん、酒屋さん、夕方になると買い物かごを持った主婦たちでごった返し、どのお店も繁盛していました。
ですが、今はシャッター街です。
どうしてかというと、生鮮食料品や日用品が一つのお店でそろう、スーパーマーケットが誕生したから。
さらに、24時間営業のコンビニもできしたし、今では、スーパーに専門店、映画館やゲームセンターなどエンターテイメントを合体させた大型ショッピングモールがあちこちにあります。
または、ぼくはゲームっ子ではなかったですが、同級生たちはファミコン、スーファミ、プレイステーションに夢中でした。
だから、ゲームのソフトや本体を取り扱うファミコンショップのようなゲームの専門店が街のいたるところにありました。
ですが、今はありません。
どうしてかというと、ゲームはスマホでアプリをダウンロードしたり、パソコンでオンラインゲームを楽しむ時代であるからです。
このように、時代とともに便利で新しい商品やサービスが次々にうまれます。それにともない、人々の欲求もうつりかわって行くのです。
つまり、人間に寿命があるように、商品(サービス)にも寿命があるのです。
神田昌典さんの「60分間・企業ダントツ化プロジェクト」の中にも、
成功している起業家を何人も見ていると、彼らに共通する点が浮かび上がってくる。一言でいえば、金の匂いが嗅ぎとれるタイプが多い。実に運がいいというか、適切なタイミングで、成長する商品に出会い、そして適切なタイミングで、その商品を手放すのである。
と、書かれています。
新しい商品が誕生してから、必要とされなくなるまでの期間のことを商品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)というんですが、自営業の辞めどきの判断はもちろん、戦略的にビジネスを成功させる方法が学べるので、興味があるあなたはチェックしてください。
ぼく自身は、サンクコストバイアスというのですが「ここまでがんばってきたんだから今さら辞めるなんてもったいないわ」という心理によって最終的に破産しちゃったんですがね。
参考:自営業が自己破産にかかる弁護士費用と期間はどれくらい?実体験を告白
とにかく、これから伸びてゆくビジネスもあるし、数年以内で確実に消えてしまうビジネスもあるので、今やっている自分のビジネスと照らし合わせて考えてください。
自分の思い入れやこだわり、サンクコストバイアスは横においておいて、
これから先、この商品(サービス)は人々に必要とされる商品かどうか?
を冷静に見極めること、です。
自転車操業で、借金返済の目処がたたない場合はリセット
たとえば、ケガや病気で一時的にビジネスがストップしたから急場しのぎでの借金はOKです。
しかし、毎月の月末の支払いが足りていないから、借金をして返す。という負のループに入ったら終わりです。
まぁ多くの自営業者が、この負のループに入り込む前に「はっ」と気づいて、支出を減らしたり収入を増やすことを考えたり、何かしらのアクションを起こすことでしょう。
しかし、時間もお金も労力だって投資してる。けど、「どれもこれもうまくいかない」なんてことは、普通にあるんです。ぼくもそうでした。
そして、「あぁ〜、月末の支払いがヤバい!」という恐怖からできるだけはやく逃れたい、という心理によって冷静な判断力を失い、借金を返すために借金をしてしまうのです。
はじめは軽い気持ちなんです。
それに、恥ずかしいんですが「未来の俺はすごい(お金稼いでる)んだ」という根拠のないV字回復できる夢のような自信や希望も持ってました。
だから、税理士さんから助成金の話を聞いた時も、内容なんて耳に入らず「やった、これでしばらくはしのげるぞ!」という思いで飛びつきました。
しかし、焼け石に水、あっという間に延命装置の電源が切れてしまったのです。
だから、この記事を読んでくれているあなたが、もし自転車操業のまっさい中でしたら傷口をこれ以上ひろげないためにも、今が自営業の辞めどきである。と決断するべき時期なのかもしれません。
自己破産するにもけっこうなお金がかかりますし、ひとりで不安な場合は、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。
自営業を辞める決断をする前にやるべきこと
ここでは、「病気」や「人間関係」ではなく、「お金」が原因で自営業を辞めるべきか。
と悩んでいる人にやってほしいことについて書きました。
どんぶり勘定をやめて、現状を把握し打開策がないか考える
お金が苦しいから自営業を辞めるべきか、と考えている多くの経営者の典型的なパターンとしてどんぶり勘定があります。
毎月、いくら位の仕入れ代や経費がかかって、いくら売上があって、生活費にいくらかかるのか?という具体的な数字を把握していません。
特に、日銭が入ってくる飲食店などの自営業者に多いです。税理士に丸投げしたいたぼくもそう。
収支の流れの具体的な数字を把握していませんでした。
それに、売り上げが下がってきている、なんてことはわかっていました。
ですが、じっさいの数字をみて現実を知るのが怖かったので、知らんぷりをして逃げていたんです。
一番大事なところなのにこれじゃぁ経営者失格ですよね。
ということで、どんぶり勘定しているあなたは、まずは、収支の流れを数値化して現状を把握してください。
そして、お金の出口を小さくできる部分はないか?と、考えてください。
景気に期待!ではなく、やれるべき施策はすべてやったか確認する
典型的なアナログ世代の経営者の口ぐせに「あー、はやく景気がよくならないかなぁ」という常套句があります。
【自営業どうしのよくある会話】
よく耳にするでしょ。
しかし、こういった会話ってただの傷のなめあいなんです。
こういう会話をすることによって、「あー、俺だけじゃなくてみんな同じなんだな」と安心した気持ちになることはできます。
ですが、景気に期待しているだけでは、売り上げは上がりません。
それに、今後、「景気が良くなることなんてない、だから自分でなんとかするしかないんだ」なんてことは、お腹の中でとっくに勘づいているはずです。
「そう、将来を悲観視しているからこそ、自営業の辞めどきかどうか迷ってるんじゃないか」という意見もあるかもしれません。
ですが、ただ景気に期待してじっとしているのであれば、まだまだ可能性があるかもしれませんよ。
業種やビジネスモデルによってアプローチの方法は変わるでしょうが、自営業をやめる、と決断する前に「もう、すべてやり尽くした。これでダメなら納得できるわ」というくらい手を動かしてみてください。
たとえば、
できることをすべてやったか?
・リピートしてもらうための施策
を考えて実践したか?
・なりふり構わず友人知人かたっぱし
に電話して紹介を促したか?
・手書きのチラシを作って
1万枚くらいまいたか?
・顧客リストに、手紙、電話、
メール、など何かしらの
オファーをしたか?
・新メニューを開発したか?
・知ってもらうために
試食してもらったか?
・元気よく笑顔で対応しているか?
・ネットを使って拡散しているか?
などなど、できそうなことがたくさんありますよね。
そして、現在ビジネスが順調な自営業者は、まちがいなくこれらの行動をやってます。
このようなお客さんを集めるための行動のことをひっくるめてマーケティングといいます。
ですが、過去のぼくもそうでしたが、「ええ商品をつくって、真面目にやっていれば、徐々にお客さんが増えてくるんだ」と信じている自営業者がめちゃくちゃ多いんです。
けど、もし、本当にそれでいいんだったら市場のお店やさんは今でもみんな繁盛していますよね。
ですので、景気に期待しているだけで、マーケティングをやっていないのでしたらチャレンジすることで状況が変わる可能性が高いですよ。
参考:小資本で売り込まずに売れる仕組みを作れる最強のマーケティング手法を手に入れる!
まとめ、自営業の辞めどきは「市場価値」と「収支のバランス」を見て判断する
いかがでしたか?
嫁さんや子供たちの将来、自分自身の将来にこの先の生きてゆく手段を考えると、何が最善なのか?なんてわからないから本当に頭がイタいと思います。
ですが、自営業の辞めどきについては、「時代」と「お金」を考えることで判断することができます。
その際、くれぐれも俺はこの道一本で食べてきたから、この先も!という執着はしないでくださいね。
時代とともに、商品や人々が求めているものも変わりますので。
ぼくは、高校卒業と同時にたこ焼き屋で起業して、44歳の時に自営業を一度辞めました。
そして、2年ほどサラリーマンをしながら、ウラではあらたに自営業をはじめるための準備していました。
今は、パソコンが商売道具で知識や経験値が商品です。
最後まで、読んでくれてありがとう。
あなたのお役にたてたのならうれしいです。