イケてる社長の思考

築地銀だこが生粋の大阪人に愛されない理由

おもしろい記事をみたので、
ぼくの感じることを書いてみました。

みつけた記事はコチラ→大阪人が「築地銀だこ」を認めない4つの理由

*記事下のコメント合戦がまぁまぁおもろいです。
一銭の得にもならないのに、貴重な時間を使って
自分の主張を理解してもらおうと必死です。

が、そもそも他人の意見を受け入れられないバカは
相手にしないのが得策ですよね。

もし、出くわしたらスルーしましょう!^^

では、ここから。

関西地区以外の人におすすめのたこ焼き屋は?
と質問すると、おおくの方が「築地銀だこ」
と答えるほど有名なチェーン店です。

が、関西地区では出店しても、ほとんどのお店が
2年と持たずに閉店しています。

ぼく自身は築地銀だこが1号店を出す平成9年よりも
もっと前の平成元年にたこ焼きやデビューしました。
(25年やってやめましたが。)

だから、有名店はすべてリサーチ済みですし、
築地銀だこが関西にやってきた。と聞いた時も
すぐに食べに行きました。

し、あちこちに出店するも、ことごとく失敗して
閉店してしまう。

という実例もたくさんみてきました。

失敗の理由は、

子供のころから関西のたこ焼き文化でそだった
生粋の関西(大阪)人に受け入れられないからです。

そもそものたこ焼き自体に期待する価値観が
まったくことなります。

だから、受け入れられないのです。

関西人は、たこ焼きといえばおやつ感覚です。

たとえば、ぼくが子供の頃は1日のおこずかいが
100円でした。

で、学校から帰ると100円玉をにぎりしめて
よく近所のたこ焼き屋にいきました。
(当時は大阪市内在住でした)

同級生のお母さんが、自宅まえを改造してつくった
軒先のバラック小屋でやっているお店です。

このようなお店が、あちこちにあります。

おそらく生粋の関西(大阪)人からすると、

大阪のたこ焼き屋といえばこのスタイルでしょ!

というくらい当たり前で親しみがあって馴染みのある
たこ焼き屋のスタンダードです。

価格は、7個50円で、15個で100円でした。

昔ながらの28穴という型の鉄板をつかって焼く、
タコと紅ショウガと天かすと青ネギが
はいった、いたって普通のたこ焼きでした。

いつも7個入りを買って、のこった50円で
30円の”ミカンすい”という透明の瓶に入ったほんのりと
ミカンの風味を感じれるジュースを飲みました。

そして、さらにのこった20円でうまい棒のサラミ味と
のらくろガムをかって食べてました。

たった100円でたこ焼き食べてジュース飲んで
うまい棒たべてガムまで食べることができる。

生粋の関西人は、このような文化の中で、
スクスクと大きく育つのです。

そして、時代の流れや経済の成長とともに
当然、たこ焼き界にも価格の変動が起こります。

で、ぼくがたこ焼き屋をはじめた平成元年は
14個300円という価格で売っていました。

最終的にたこ焼き屋をやめた平成25年は
8個300円で売っていました。

ぼくは兵庫県の尼崎で商売をしていたので
300円でしたが、大阪の中心部に行けば
8個400円ほどが相場です。

それに対して、築地銀だこの価格は
現行でノーマルが8個550円と割高です。

さらに、ネギなどをトッピングすると
100円プラスされ650円になる。

マーケティング用語でクロスセルといって
トッピングしてもらうことで客単価を上げる
ことができるのです。

が、たこ焼きに650円はだせん(払えない)やろ、

というのがたこ焼き文化で育った生粋の関西人の
ホンネであります。

じゃぁ一体なぜ、関西以外の地区で
築地銀だこが受け入れられ全国チェーンを
成功させることができたのか?

というと、

関西人みたいに、たこ焼き=これでしょ!

というたこ焼きという商品そのものに
対する概念のない人たちに、新しい文化
を植え付けることに成功したから。

つまり、

その人たちにとってのたこ焼きのスタンダード
が築地銀だこになったのです。

で、さらにいうと銀だこの前に”築地”
とつけたネーニングが良かったのかな、
とぼく的には感じます。

どうしてかというと、

地方の人にとって東京は最先端という
イメージがあるし、

東京で流行っているものは、イケてる
いいものだ、と感じてしまう人が多いから。

だから、東京の食の台所でもある”築地”
をネーニングに加えることで

「東京で流行っている人気のお店である」

というようなイメージを消費者の
頭の中に植え付けることができます。

ゆえに、受け入れられて成功したのかな、と。

築地銀だこの1号店って東京(の築地)じゃなく
群馬県のスーパーなのに、店舗名に”築地”
を入れています。

だから、パッと店舗名を見た時に消費者が受ける
印象を理解したうえで、意図的に築地というワード
を使っているのでしょう。

ここで、リアルなエピソードをひとつ紹介します。

ぼくがたこ焼きや時代に
とある営業マンと仲良くなりました。

彼は福岡市出身だったのですが、

やはり、彼の中のたこ焼きのスタンダードは
築地銀だこでした。
(けっこうたくさんお店があるらしい)

なので、関西地区では受けいれられない。

という事実を知ってめちゃ驚いていたのを
今でも覚えています。

彼の中でのたこ焼きのスタンダードは
築地銀だこである。

だから、たこ焼きで有名な関西地区でも
当然、人気のお店なんだろう。

と思い込んでいたみたいです。

このように、関西地区では受け入れられない
築地銀だこでも大阪の主要なところに
数店舗だけやっているところがあります。

受け入れられないはずなのに、
なぜ営業できているのか?というと

対象とする客層を変えているからです。

どういうことかというと、

売っている場所は大阪だけど地方の方や
観光客があつまる場所に出店するのです。

全国各地の方があつまる新幹線の乗り場
である新大阪駅や、

地方からの修学旅行生や日本問わず
海外からもたくさんの観光客があつまる
心斎橋などにお店を出しています。

そうすることで、大阪のたこ焼きはこうだ!
というフィルターがかかっていない客層に
リーチすることができるのです。

だから、大阪の土産に大阪でたこ焼き
買って帰ろうかなという人や、

せっかく大阪に来たんだから、大阪の地で
たこ焼きを食べとかないとね。

と、少々割高であっても、

そもそも、たこ焼き自体の概念や相場感
をもたない客層にアプローチしているので、
買ってもらうことができるのです。

うまいねー、よう考えてはるわ。

たかがたこ焼き、されどたこ焼き。

おおくの失敗をくり返し25年で
廃業しちゃったけど、価値ある経験を
たくさんすることができました。

で、もっとも大切な学びは、

自分は〇〇屋である。

と自分のやっている仕事を固定しなこと。

なぜなら、

固定した時点で、伸びしろが
極端に小さくなってしまうから。

比較対象が同業者になって
その小さい枠の中で勝負する
ようになっちゃいます。

まぁ、しんどいわりにリータンが少ないです。

長くなるので詳しくは話しませんが、

そうならないためには、
視点を変える必要があります。

ライバルに勝つために、ひとつの商品の
クオリティの向上にコミットする。

のではなく、

人間心理を理解してマーケティングの
スキルを磨く。

という感覚をもつことがとても重要です。

そうすることで、食いっぱぐれるかもしれない、
という心配は消えてなくなりますので。

ではまた。^^

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