あー、自営業やっているけど、生活が苦しい。毎日まいにち、苦しい状況から逃れたい!
というお悩みを解消します。
ぼくは、たこ焼き屋を25年ほど経営していました。
ですが、ラストの2年は自転車操業の苦しい時期をすごし最終的に自己破産してしまいました。
その経験をもとに、自営業の人が生活に苦しい時は、どのように乗り越えればいいのか?
という体験談をお話しします。
この記事でわかること、
自営業で生活が苦しい状況から抜け出すための方法
「自営業で生活が苦しい人」に共通する典型的な5つのパターン
この章に出てくる人物は、すべて過去のぼく自身です。
くだもの屋の長男として生まれたぼくは、幼少期より商売人の父親の影響をうけ、自分も将来は会社員にならずに社長になりたいと思ってました。
だから、高校卒業と同時にたこ焼き屋で起業しました。
商売をはじめた平成元年は、バブルは弾けていましたが街には活気があり、10代のガキが毎月100万円以上稼いでいました。
が、24年後には自己破産してしまうことに。
生活の苦しいを通りこして、なぜ、自己破産までしてしまったのか?
経験した今だから気づくとができた、自営業の人の生活が苦しくなってしまう典型的なパターンをお話しします。
【ビジネス初心者基礎講座】学校では絶対に教えてくれない成功法則
どんぶり勘定で収支のバランスがおかしい
起業後、数年間はたこ焼きを移動式販売(軽バン)していました。
ですが、結婚し子供が生まれたので、地に足をつけたいと考え、1000万円の融資を受けて店舗オープンすることに。
オープンセール3日間は、大行列のスタートダッシュを決めることができました。
話すと、長くなるのですべてはお話できませんが、とにかく頭がバカでした。
どれくらいバカだったのか?
オープニングセールたった3日間の盛況だけで、「よし、俺って天才、成功者の仲間入りだ!」なんて本気で考えるカンチガイ野郎でした。
入出金の管理は、税理士に丸投げしていたので帳簿を見ることなんてありません。
売上が減ってきてるようなぁ、と感じてはいるものの、毎日、日銭がはいってくるし、融資を受けた時の運転資金もプールしているから、まぁ大丈夫だろう、なんて思ってました。
それに、儲かってないのに、スタッフに見栄を張るために高級焼肉店で忘年会でどんちゃん騒ぎ。
また、ほんとは人件費をカットしたかったけど、「言いにくい」を理由にやるべきことから逃げていたんです。
めっちゃ暇で掃除以外の仕事がないのに、バイトさんが3人もお店にいる、なんてこともよくありました。
言い出したらキリがないので、この辺にしておきますが、今月の売上はいくらで、原価にいくらかかって、人件費はいくらで、水道光熱費や通信費、固定費、リース代、その他もろもろ、数字を見ていませんでした。
で、運転資金は底をつき自転車操業でやりくりしましたが、どうにもならない状態になり自己破産したのです。
「未来のすごい俺」に期待して楽観視している
生活が苦しい自営業者のおおくが楽観主義者です。
ホープマーケティング(希望的観測)といって、
「今の俺は、たいしたことないけど、もうちょっとしたらガンガン稼げるビックな男に変身できるタイミングがやってくる」
このように考えているのです。
当然、ぼくも俺のポテンシャルは本気だせばこんなもんじゃないぜ!と思ってました。
そして、これは「すごい男」に変身するチャンスかもしれない?なんて考のもと、うまい話を持ちかけてくるハイエナ営業マンの口車にのってホイホイと投資をくり返したのです。
ホームページ制作に110万円、SEO業者に数十万円、通販事業もしていたので、担当者からすすめられる高額の広告費、3流芸能人と対談するわけのわからない雑誌社の取材、地方のスポーツ新聞の広告枠、渋谷のなんちゃらというラジオ番組でお店の紹介をしてもらう。
その他いろいろ、自分でも覚えてないくらい、様々なことに投資しました。
で、結果、全滅です。
どうしてかというと、
目先の金を得ることしか考えていなかったから。
なぜ、このサービスを始めるのか?このサービスによって、どのようなお客さんの、どのような欲求が満たされるのでろう?
というビジネスの本質を見る視点が完全に抜け落ちていました。
ですので、自分自身のポテンシャルを信じること、はとても大切ですが、「過度の奢り」は禁物です。
ケツに火がついてるのに、知らんぷりで現実逃避
当時のぼくは、売上が下がってきてる。
と気づいているのに、根本部分を改善することなく、すべてを外的要因の責任にしていました。
・景気が悪いからだ
・アルバイトの接客に問題があって客が減ってる
・この地域に住んでいる人は貧乏人ばっかだから金を使わん
・クソ、また営業マンに騙されて損したわ
このように、自分にはいっさいの責任がなく、外に責任をなすりつける最低の人間でした。
それに、この期におよんで、まだ、見栄をはりつづけ、運転資金から人件費を払っていたのです。
書いていて、情けなくなってきましたが、当時のぼくはこんな感じでした。
もし、タイムマシンがあったら過去にいってボコボコにしてやりたいです。
「迷信・ことわざ・言い伝え」を鵜呑みにしている
こんなことを言うと、頭がおかしい、と思われるかもしれません。
人間ってね「本当の自分」なんてものはないんです。
人類すべてが影響力の産物なんです。
たとえば、
オギャーと生まれたての赤ちゃんの脳みそは、まっさらなハードディスクと同じです。
そして、産んでくれた親、先生、友人、親戚、テレビ、などいろんなものから影響を受けて人格が形成されて行きます。
実話か、おとぎ話かは忘れましたが、オオカミに育てられた女の子は、「ウー、ウー」としかことばを発することができず、四つ足で歩いていた、という話を聞いたことがあります。
この女の子は、オオカミから影響を受けたので、オオカミと同じような言動をするんです。
そして、ぼく自身は幼少期から父親に大きな影響を受けました。
商売は薄利多売だ
いいものを何処よりも安く売れば、お客さんが喜んでくれるので繁盛店になる。
商売は牛のよだれだ
お客さんがまばらでも、長時間お店をあけることで山となってつもってゆく。
石の上にも三年
どんなに苦しくても3年はじっと我慢するんだ、必ずいいことがあるから。
マーケティングの「マ」の字も知らなかった当時は、このような先人たちの「根性論」を本気で信じていました。
日本人、特有の偏った考え方に、楽することは悪いことで、耐えたりガマンしたり苦しむこと、は美しいことだ、という固定観念がありますよねぇ。
ですが、これらの考え方はよくありません。
ひとつ一つ理由を論破できますが、長くなるので割愛しますが。
とにかく、ビジネスを成功させたい場合は、父親や同僚、近所のおばさんなんかの意見はすべてスルーすること。
そして、成功している人から影響を受けるべし、です。
まじめにコツコツがんばれば神様がご褒美をくれる、と信じている
はずかしい過去の連続ですが、当時はコツコツまじめにやっていれば、いつか神様がご褒美をくれる。
とマジで信じていました。
まぁ、アホです。
商売の世界には、
小学校のテスト勉強をコツコツまじめにやって100点を取ったら、ご褒美としておこずかいをくれるお母さん。
なんていません。
こんなことも、わからなかったんですよねー。
けど、学校じゃ教えてくれないから、以前のぼくと同じような考え方をしてる人、ってけっこういると思いますよ。
夢をこわしちゃうようで申し訳ありませんが、どれだけまじめにやっいても神様は助けてくれません。
未来を切り開けるのは、あなた自身だけです。
失敗することで気づけた自営業の人の生活が苦しい時にとるべき3つの解決策
ここまで、5つの典型的な失敗パターンを話してきました。
で、5つそれぞれ内容はちがいますが、共通しいる部分がひとつだけあるんです。
それは、「考え方がおかしかった」ということです。
先ほど、影響力のお話をしましたが、ものごとをうまく成功させるためには、「正しい知識」と「正しい考え方」がなければ、絶対にうまくいきません。
どれだけ未来のすごい俺に期待しようが、古くからの言い伝えを信じていようが、お客さんは一円のお金も運んできてくれないのです。
じゃぁ、生活が苦しい時には何をするべきなのか?というと、
正しい方法を知って、正しい行動をすればいいのです。
失敗したからこそ気づけたんですが、以下の3つをバカだった当時のぼくに教えてあげたい。
収支の数字をきっちりと把握して出費を最小限にする
自営業やっていて生活が苦しい状態が続いている。
ということは、どこかにお金の流れをせき止めている箇所があります。
だから、まずは収支全体のながれを把握する。
そして、とにかく無駄な出費を抑えることが先決です。
見栄やプライドなんて捨てて、人件費、固定費、材料費、など削れる部分はすべてカットしましょう。
今後こそは!と起死回生を狙って新たなことに投資をしない
「商売は当たればデカイ」なんていう人がいてますが、宝くじやギャンブルのような当てものではありません。
そして、本業が苦しくなると、他にもっと楽して一発逆転できる方法はないかなぁ?と外に目を向けてしまいます。
で、あれこれ試してみるも、どれもうまくいかない。
おまけに、本業もおろそかになってしまいます。
結果、大切な常連さんをのがしてしまうのです。
ぼくは、たくさんのお客さんの期待を裏切ってしまいました。
だから、苦しまぎれで新たなことを始める、なんてことは絶対にNGです。
現状を把握し、廃業も視野に打開策を考えて行動する
お金の流れを把握して、とにかく出費を最小限にまで抑えた。
金のなる木を探すのではなく、本業をしっかりと見つめなおす。
これら2つを考えることで、苦しいながらも少し冷静な思考を取り戻すことができます。
で、今できる最善策はなんなのか?を考えます。
・将来性があるのなら融資を検討する
・マーケティングの施策をうって利益アップを狙う
・どうにもならない場合は、廃業、債務整理を考える
あつかっている商品、将来性、借金の有無など、おかれている状況によって方法は様々です。
しかし、ひとつだけ知っておいてほしい、とても大切なことがあります。
それは延命のために自転車操業するのだけは、やめてください、ということ。
自営業を辞めるのって、全然はずかしいことじゃないので、無理してふんばらなくてもいいです。
ぼくは2年近くふんばったんですが、最後は自己破産。
で、感想は、もっとはやくに決断しときゃよかった、でしたので。
参考:経験者にしか語れない自営業が自己破産した時の5つのメリット・デメリット
まとめ、生活が苦しい状況から抜け出すためには「思考」と「行動」を変えること。
自営業をはじめても10年後に生き残っていられる確率は、6%と言われています。
だから、実際問題、自営業をやってうまく成功させるのって、「えらばれし天才」とか「金持ちのボンボン」じゃなきゃきびしいのかなぁ?と思ってしまうかもしれません。
ですが、決してそんなことはない、とぼくは考えてます。
最初から儲かること、がわかるわけではありませんが、「正しい知識」と「正しい考え方」そして「正しい行動」をすることで、失敗のリスクはかなり低くなると思います。
「あー苦しい」「しんどい」「やめちゃいたい」
数年前のぼくは、毎日こんなことを考えていました。
もし、あなたが、過去のぼくと同じ苦しみを味わっているのなら、きっと役に立つだろう、と思ってこの記事を書きました。
最後まで読んでくれてありがとう。
あなたの幸せを祈ります。