自営業で自己破産を考えているけど、何からやればいいの?
弁護士費用や破産までの期間ってどれ位かかるの?
という疑問にお答えいたします。
今回は、自営業の人が自己破産をする方法をお話します。
じっさいの書類を添付しながら、ぼくの実体験を話すので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること、
自営業の人が自己破産する時のすべての工程がステップbyステップでわかる
では、さっそくどーぞ。
自営業の人が自己破産する場合は基本7つのステップでOK
ここでは、自営業の人が自己破産するまでの流れを解説します。
①弁護士さんにお願いする
②すべての取り立てがストップする
③必要な書類を準備する
④裁判所に破産手続きの申し立てをする
⑤破産手続きが開始される
⑥裁判官と面談する『免責審尋(めんせきしんじん)』
⑦免責許可が決定する
赤文字のステップ①③⑥が破産する人がやること
黒文字のステップ②④⑤⑦は弁護士さん、もしくは裁判所がやることです。
ステップ①弁護士さんにお願いする
まずは、弁護士さんに依頼する。
この行動がはじめの第一歩です。
ぼくの場合、どうしたのかというと、
当時は、たこ焼きやと通信販売業をやっていました。
しかし、毎月末を乗り切るための自転車操業で、アップアップの状態でした。
ですが、なんとか打開策を見つけようと、たくさん本を読んで勉強していました。
そして、ある時、商工会議所主催の速読セミナーに参加したんです。
その懇親会の席で、たまたまとなりに座っていたのが弁護士さんでした。
はずかしい話、一般的に弁護士に相談すると30分5000円くらいかかる、なんて言われるでしょ。
だから、タダで相談できるチャンスだからラッキー!なんて思いました。
そして、お酒も入り身のうえ話をしているうちに、安心したというか、なんだかホッとした気持ちになってお願いしようかな?と思ったのがキッカケです。
ステップ②すべての取り立てがストップ
依頼された弁護士は、債権者たちに「〇〇さんから破産の申し立てを受けました」という通知を送ります。
この通知のことを『受任通知』といいます。
受任通知が届いた債権者は、この時点から取り立てをストップしなければなりません。
だから、「最終通告」というような赤いハンコが押された請求書や、催促電話の着信音にビクビクとおびえる恐怖から逃れることができます。
「今、この時点から借金はすべて返さなくてもけっこうです。」
と弁護士さんにいわれた時は、神様にみえました。
そして、借金返済がストップするので、そのお金を自己破産にかかる費用にあてるために、保管しておくことができるようになります。
ステップ③必要な書類を準備する
裁判所に破産申し立てをするためには、ものすごい数の資料が必要になります。
ですが、必要な書類は弁護士さんがすべて用意してくれます。
それに、陳述書はどのように書けばいいのか?など、書き方も丁寧に教えてくれます。
また、破産者が用意しなければならない資料も教えてくれるので、言われるままに準備するだけでOKです。
・破産申立書
・陳述書(これまでの経緯をかく)
・債権者をすべて記入したもの
・財産をすべて記入したもの
・家計の状況
・住民票
・戸籍謄本
・源泉徴収票
・各種税金の証明書
・通帳の写し(すべての金融機関)
・賃貸契約書のコピー
・車検証のコピー
・保有自動車の査定額がわかるもの
・保険証券のコピー(すべての)
・クレジットカードすべて
ステップ④裁判所に破産手続きの申し立てをする
必要な書類がすべてあつまったら、自宅を管轄している地方裁判所に破産申立書を提出します。
基本、弁護士さんがやってくれます。
この破産申立書の中には、必要書類であつめた情報がすべて記載されています。
ステップ⑤破産手続きが開始される
裁判所に破産申立書を提出して、2週間前後で、破産開始の決定が通知されます。
この時点で、申し立てをした人は破産人となり、官報に名前が掲載されます。
それと、同時に管財人も選出されます。(後ほど説明します)
しかし、まだ借金返済の義務が消滅したわけではありません。
どうしてかというと、この破産人はズルをしていないか?免責の許可しても大丈夫か?という調査をされる期間が必要となるからです。
そして、官報に名前がのると、いろんな人にバレるのでは?と思いますが、
じっさいに見るのは闇金業者くらいなので、まぁバレる心配はありません
参考記事:自営業が自己破産した時の5つのメリット・デメリット
ステップ⑥裁判官と面談する『免責審尋(めんせきしんじん)』
管財人による調査期間が終了して「シロ」と判断されると、裁判官と面談するために裁判所に出廷します。
理由は、免責審尋といって「借金の免責を許可するため」です。
出廷する日時は破産手続き開始の時に決まっていて、時間前にいくと弁護士さんと管財人も来られていました。
そして、同じような破産人が数名きているので順番に面談がはじまります。
ですが、形式どうりにすすめられる感じで、あっというまに終了しましたよ。
ステップ⑦免責許可が決定する
裁判所で免責審尋してから、およそ2週間くらいで免責の許可が決定されます。
この時点で、すべての借金から解放されることになります。
もう二度とおなじあやまちは繰り返さないぞ!
そう、心に強く誓ったのでした。
自己破産には2つの種類があるけど、自営業が自己破産する場合は「管財事件」になる
自己破産を申し立てする場合、「同時廃止事件」「管財事件」といって2つの種類のどちらかに分けられます。
両者のちがいをカンタンにいうと、
20万円以上の財産があるか、ないかで分かれます。
財産がない場合は、「同時廃止事件」になり、ある場合は「管財事件」になります。
だから、自営業の場合は、店舗契約したさいに預けている保証金がかえってきたり、商品在庫や設備品など、換金できる財産があるので、管財事件になるパターンがおおいです。
ぼくの場合も、管財事件になりました。
それと、もう1つ大きなちがいがあります。
同時廃止事件の場合は、自己破産の開始決定と同時に破産が成立します。
ですが、管財事件の場合は、管財人が選出されて、そこから調査する期間(およそ3ヶ月)があるので時間とコスト(20万円ほど)がかかります。
管財人による調査期間に行われることってなに?
この期間は、破産人のお金の流れをすべて調査されることになります。
郵便物は、すべて管財人のもとに届けられて中を確認された後、ぼくのもと転送される。
通帳の入出金もすべて確認される。
このように、財産を隠すような不正は行なっていないか?ということを期間中(およそ3ヶ月)調べられます。
【自営業が自己破産するためにかかる費用】は、ザックリと50〜70万くらい
自己破産にかかる費用は、依頼する弁護士さんによってまちまちです。
いろいろと調べましたが、
弁護士さんに支払う弁護士費用は30万〜50万円くらいが相場です。
そして、管財事件になると、「予納金」といって裁判所に20万円ほど払うお金が必要となります。
ですので、弁護士費用と裁判所に支払う予納金を合算すると、
50万〜70万円くらいが自己破産のさいに必要となります。
ぼくの場合は、弁護士費用が502500円、予納金が205000円で73万円でした。
【じっさいの自己破産にかかった費用の領収証】*クリックで拡大
けど、破産申し立てをした時点で借金の支払いはストップします。
だから、そのお金を費用にまわすことができますよ。
【自営業が自己破産にかかる期間】弁護士に依頼して確定するまでは、最低でも6カ月以上はかかる
自己破産を申し立てして、免責が決定するまでの期間は、6カ月から8カ月くらいです。
ぼくの場合は、2月2日に弁護士に依頼しました。
そして、免責決定したのが、9月27日でした。
だから、約8カ月ほどかかったことになります。
自己破産をいつどのタイミングで、弁護士にたのめばいいのか?
タイミングは主観ですが、自転車操業になっている場合は、今すぐに相談してください。
どうしてかというと、ぼくは2年以上、自転車操業しながら徐々に借金がふえていったから。
または、どう考えても自力では借金返すのむずかしいかも?
と感じている場合もすぐに相談してください。
どうしてかというと、自営業の人は「未来の俺はすごい」と根拠のない自信をもっている方がけっこういるんです。
これ、じつはぼくがそうだったんですが、この考え方はとても厄介です。
とにかく、今の生活を失いたくないから無理してふんばろうとするんですよ。
その際に、これこれするからいつまでに〇〇円を確実に稼ぐことができる。
という数値・期間的に明確で実現率がたかい改善プランがある場合はチャレンジするのもアリかもしれません。
しかし、未来のすごい俺を信じて、藁をもすがる思いで先行き不確実なものに、あれこれ投資するのは危険です。
この行為って、当たるかわからない宝くじを買っているようなもんですから。
経験したからわかりますが、こんなやり方で経営がうまく行くわけなんてないんです。
だからこそ、もっとはやくに専門家に相談しときゃよかったと思ってます。
まとめ、自営業が自己破産するまでの弁護士費用と期間
ぼくの実体験をお話してきましが、いかがでしたか?
自営業の人が自己破産する場合の具体的な流れと、おおよその費用、期間を理解してもらえたと思います。
もう一度、おさらいておきましょう。
①弁護士さんにお願いする
②すべての取り立てがストップする
③必要な書類を準備する
④裁判所に破産手続きの申し立てをする
⑤破産手続きが開始される
⑥裁判官と面談する『免責審尋(めんせきしんじん)』
⑦免責許可が決定する
この7つのステップでおこなわれます。
そして、今回なんでぼくの過去の失敗をわざわざカミングアウトしたのかというと、おなじような苦しみを味わっている人の助けになりたい、と思っているからです。
このブログのコンセプトは子育てまっ最中のパパ社長を応援すること、です。
で、社長といってもピンキリで、皆がみなうまくいくわきゃないんですわ。
一度も失敗しないで成功した人なんていたら天才です。
だから、だれもが失敗や挫折をくり返し、その経験を糧にさらにチャレンジする。
そして、あきらめずにやり続けるからこそ見たことのない景色を見ることができる。
と思うのです。
まぁーでも、このような考え方ってね、一般的には受け入れられません。
・あんたには才能ないからあきらめたら?
・どーせ、無理なことをいつまで続けるんだ?
・家族がいるんだから、そろそろ落ち着いたら?
このようなことを誰かにいわれたことあるんじゃない?
ぼくは、何回もあります。
ですが、このように日本人の95%くらいの一般人が当たり前としている常識にしたがっちゃダメだ、と思ってます。
どうしてかというと、したがった時点で一般人とおなじ景色しか見れなくなるから。
そして、この記事をここまで読んでくれているあなたは、もしかしたら自己破産をしなければならないほど追い詰められた状態かもしれません。
ですが、経験者のぼくが自己破産をした感想は「やってよかった」です。
しかも、もっと早くに。
なぜなら、早ければはやいほど、再スタートもはやく切ることができるから。
それに、今はネットで無料相談を受け付けている専門家がたくさんおられます。
「匿名相談OK」「 無料相談OK 」「全国対応OK」の【おしなり法律事務所】
だから、もし悩んでいるのでしたら、人生で一番わかい今この瞬間に相談してください。
きっと「あー、もっと早くに相談しときゃよかったわ」と感じるはずです。
最後まで、真剣に読んでくれてありがとう。
あなたとあなたの家族の幸せを心より祈ります。